みそ汁こぼさず運ぶ王
みそ汁って、おいしいですよね。食堂でどんぶりものを頼むとき、みそ汁を一緒に頼むと簡単にQOLが上がります。
ランチに数十円追加するだけで身体を内側から温められるなんて最高じゃないですか。
ん……?え……?ああっ……。
みそ汁って、こぼしがちですよね。
みなさん、毎日、一大ミッションじゃないですか、みそ汁。
なみなみ注いでもらったみそ汁をお盆にのせながら、ランチタイムの人混みをかき分けて空席を捜し、着席。それも一滴もこぼさずに。
無理。こぼします。
これはもはや、エクストリームスポーツなんじゃないかとすら思います。
不器用なのは僕だけなんでしょうか?
確かめましょう。
というわけで開催!
みそ汁こぼさず運ぶ王!!!
いっそのことエクストリームスポーツにしてみました。
「みそ汁こぼさず運ぶ」だけだと漠然としすぎていてよくわからないと思うので、ルールを以下のように決めました。
- 200mLの水が入ったお椀が支給され、それをお盆にのせて運ぶ
- スタート地点を出発し、5つのチェックポイントを経由しながらゴールを目指す
- ゴール地点でお椀の中に残っていた水の量が最も多かった者が「みそ汁こぼさず運ぶ王」となれる
以上。簡単ですね。
要するに、できるだけみそ汁をこぼさずに運んで、こぼした量がいちばん少なかった人が勝ちということです。
気になるところはみそ汁を運ぶコースとその距離ですが、今回はこのようなコースを設定しました。
北大北部食堂から大通公園までの全長約3.1km。
こぼすこと必至の超ロングコース。人生で3kmもみそ汁運んだことありません。
0.みそ汁こぼさず運ぶ王、スタート
まずは、みそ汁に思いを馳せながら、参加者全員でみそ汁を飲みます。
プロスポーツで言うところの国歌斉唱です。
各選手、みそ汁で温まったところでスタート位置につきました。
ルールに則り、それぞれ200mLの水が支給されています。
それではさっそく、みそ汁こぼさず運ぶ王、スタート!!
スタート直後にして、ひとりだけ出遅れが顕著。
ルール上、運ぶ速さは結果に関係ないのですが、性格がなかなかに出ます。
ご覧のとおり、路面のコンディションは最悪。
滑ってコケてしまえば一発でみそ汁は無に還ってしまいます。
細心の注意を払って運ばなければなりません。
滑らない安全な場所を選んで歩いているうちに、自然と隊列を組んでいました。
一見するとビートルズのようですが、違います。
僕たちはみそ汁をこぼさないように運んでいるのです。
1.第1チェックポイント クラーク胸像前
さて、スタートからおよそ1km。さっそく第1チェックポイントに到着しました。
この時点で、食堂内での通常の移動距離を大きく超えています。
みそ汁はどうなっているでしょうか。
ひとりだけハンパなくこぼしていますが、他はまずまずといったところ。
やはり歩いているだけで、みそ汁はある程度こぼれるようです。
不器用なのは自分だけじゃなかった。よかった。
序盤にして、この記事の最大の命題は証明してしまいましたが、競技は終わっていません。
第2チェックポイントへと向かいます。
2.第2チェックポイント 北大正門前
わいわいしながら第2チェックポイントに到着しました。ここまでの移動距離はおよそ1.4km。
渋谷駅から1.4km歩くと、原宿駅に着きます(逆にわかりにくい)。
先ほどのチェックポイントからはそれほど離れていないので、こぼし状況はあまり変化がありませんでした。
が、明らかに変化があるのは体温。
外でみそ汁を運んでいるため、寒気にさらされてめちゃくちゃ手がかじかみます。
うっかり手を滑らせるのではと不安がよぎります。
3.第3チェックポイント 札幌駅南口
札幌駅に着きました。ここまでおよそ2km。
平日昼間の札幌駅周辺はスーツ姿のビジネスマンが多く行き交っているわけですが、その間を縫ってみそ汁を運ぶのはなかなかオツなものだと思いました。
視線は痛かったです。
そして、この時点でのこぼし状況です。対照的すぎます。
これだけ運んで一滴もこぼれていないのはすごい。
でも「ここだけピンポイントでスコール降った?」という感じのお盆もありますね。
さて、距離的には折返しを迎えて、優勝が気になってくる頃合いです。
お互い結果を気にする会話が増えてきました。
たぶん全員コケるとかじゃないと優勝できないですね。
4.第4チェックポイント 道庁赤レンガ
第4チェックポイント 道庁赤レンガに到着しました。ここまで累計2.4km運んでいます。
気になるこぼし状況がこちら。
順位としては膠着状態が続いています。こぼさない人間は全くこぼしていませんが、こぼしている人間はどんどんこぼしています。
新約聖書にあるように、「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」といったところでしょうか。
ところで、街に出てきて感じたのですが、このお盆、風にめちゃくちゃ煽られるんです。ちょっと風が吹くだけで、かなり不安定になってしまいます。
みなさんは、みそ汁はできるだけ室内で運んだ方がいいでしょう。
5.第5チェックポイント さっぽろ時計台
最後のチェックポイントに到着。ここまでおよそ2.9km歩いてきました。ゴールはすぐそこに見えているので、この時点での順位がかなり肝になりそうです。
競技中では最後のこぼし状況を見てみましょう。
順位は変動なし。それにしてもまだ一滴もこぼしていないお盆があります。もはや快挙です。
対照的に、画像右下のお盆はもう目も当てられません。残っている量とこぼした量、どちらが多いんでしょう。笑うしかないようです。
競技は大詰め。このままゴール地点に向かいます。
あとは残った汁の量を計量するのみです。
!?!?
ビル風が!!!
あああああっ!!!!!
(お椀自体が飛ばされないようにするのに必死)
ゴール直前に思いもよらぬ突風。みそ汁の多くを大地に還してしまいました。
スポーツは試合終了まで何が起こるかわかりません。
順位はどうなっているのでしょう。いよいよゴール。続いて計量です。
6.ゴール
無事(?)、全員がみそ汁を持った状態でゴール地点に到着できました。
最終こぼし状況を見ていきましょう。
全員こぼしてしまっています。
画像上2つのお盆は突風の影響はあったものの、まずまずといったところ。普段の食堂内でもこれくらいはこぼす、という範囲内ではないでしょうか。
下2つは壊滅的。どうみてもみそ汁が吹き飛んでいます。
7.最終結果
お待ちかね、最終結果を発表します。
スタート時点でお椀に入っていた水は200mLでした。どれだけ残っているのでしょう。そして「みそ汁こぼさず運ぶ王」は誰の手に!
<最下位>残り105mL(こぼし95mL)
<最下位タイ>残り105mL(こぼし95mL)
最下位2名は約半分をこぼす、ダイナミックなこぼしっぷり。
みそ汁1杯の価格が32円だとすると、16円分もこぼしています(わかりにくい)。
もはや新しいみそ汁を買った方がマシですね。
<第2位>残り189mL(こぼし11mL)
<みそ汁こぼさず運ぶ王>残り190mL(こぼし10mL)
「みそ汁こぼさず運ぶ王」、堂々の決定!!
上位は意外なことに、かなりレベルの高い戦いになりました。
これからは食堂では、彼らに代わりにみそ汁を運んでもらおうと思います。
突然ですが、実は、「みそ汁こぼさず運ぶ王」に賞品をご用意したんです…!
「みそ汁こぼさず運ぶ王」になったアナタには、今回使ったお椀をプレゼント!!!
え、いらない。
ズコーっ!!!
クルック―。